雪の北京を想う

痛ましい事故のニュースで
久しぶりに雪の北京を見た
暖かい部屋の中にいてテレビで見る北京は
何もかも白く覆いつくす雪だった



雄大万里の長城は、いつだって旅人を迎え入れるが、
旅人を試すかのような過酷な道のりも、同時に併せ持つ


ふと思い返すのは、司馬台を歩いた時のこと



やっとの思いで取得した休暇なのに、
何が楽しくて、ワタシはこの道のりを歩いているのか
一体、歩き続けたこの路の先には、何があるのか
だんだん理由がわからなくなってきた



所々朽ち欠け、人の手があまり入っておらず、
本などでよく見る万里の長城とは大違いであった


でも不思議と、そのうち心が無になってきて
ただ目の前の道に両足を動かすだけになってきた


この険しい路を、過去の人も歩いただろうと想像すると、
その名も残さぬ人々と同じ大地を踏みしめている
途方もない時間を感じ、古代の人に想いをはせた



自然は常にそこにあり、無のままでワタシたちを受け入れる
その無をどう感じるかは、その時の自分の心が教えてくれる

変わらずそこにある万里の長城は、またワタシを
迎え入れてくれるだろうか